丈六横穴墓群
調査終了
- 調査期間
- 令和3年4月~12月
- 場所
- 双葉郡浪江町大字高瀬字小山迫
- 該当時代
- 古墳時代
- 調査原因
- 県道落合浪江線の整備
丈六横穴墓群、丈六古墳群は、浪江町大字高瀬字丈六地内に所在します。高瀬川南岸の丘陵上に古墳群、東向き斜面に横穴墓群が存在しており、現在は丈六公園となり、町民の憩いの場になっています。丈六古墳群は古くから知られており、昭和32(1957)年には双葉高校社研クラブにより古墳2基が発掘調査され、昭和60(1985)年には法政大学による分布調査の報告がなされています。古墳はこれまで16基が報告されています。
丈六横穴墓群も、昭和47(1972)年と昭和59(1984)年の2度にわたり発掘調査が行われており(1~4号横穴墓)、今回が3度目の調査となりました。調査の結果、古墳1基と横穴墓6基(既調査分含む)・土坑1基が発見されました。古墳は半分が壊されており、人を葬った施設や遺物は発見されませんでした。既調査分の横穴墓4基は、その位置を最新の測量技術で記録しました。新たに発見された横穴墓2基については、次年度に調査する予定です。
写真1 丈六公園から東を臨んだ写真です。遺跡の周辺には古墳時代から奈良時代頃の遺跡が多く発見されています。
写真2 今年度発見した遺構群です。5・6号横穴墓は次年度に調査する予定です。
写真3 15号墳断面 黒色土の上に黒色土と黄色土の混合土を丁寧に盛り上げていることが分かります。人を葬った痕跡(主体部)がないことから、横穴墓を明示する施設だった可能性もあります。
写真4 横穴墓は高所に造られているため、作業は足場を組んで行いました。
写真5 足場から横穴に移って作業するのも安心です。