丈六横穴墓群・丈六古墳群
調査終了
- 調査期間
- 4月~6月
- 場所
- 双葉郡浪江町大字高瀬字小山迫
- 該当時代
- 古墳時代
- 調査原因
- 県道落合浪江線の整備
6月17日のようす
昨年度新たに発見した横穴墓の調査を開始しました。5号横穴墓は、天井部は残っていませんでしたが、亡くなった人を葬る場所(玄室)と、外界との出入口(玄門)が確認できました。丈六横穴墓群の中では比較的大きな横穴墓で、天井部はドーム形をしていたようです。玄門付近の床面からメノウ製の勾玉が出土しました。
6号横穴墓は5号横穴墓に上にあります。意図的に岩盤を削り込んでいますが、底面が平らでなく、天井部では岩盤層がなくなっています。粘土層の天井では崩落する危険性が高いため、削り込みを途中であきらめた「つくりかけ」の横穴墓の可能性を考えています。
このほか、5号横穴墓など高い地点にある横穴墓への通路と考えられる溝跡や、平安時代の簡易木炭窯も発見されました。以上の成果をあげて、2年間におよんだ発掘調査が終了しました。
5月
今年度の発掘調査は、4月25日から開始しました。昨年新たに発見した5号横穴墓から南側の地区を対象に、これまで溝跡1条、土坑1基を調査しています。
溝跡は深く掘り込まれ底面が平らなので、道跡の可能性があります。
古代の土坑に壊されていることからこれより古く、丘陵から上段の横穴墓に通じる通路かもしれません。
土坑は、鉄づくりに関連する木炭焼成坑(簡易木炭窯)と考えられます。
①高所にある横穴墓の調査のため、今年も足場を組みました。
②溝跡は最も深いところでは約90㎝あります。底面も平らに整えられています。
③壁面が焼けており、こまかな炭がたくさん出土しました。上面から、平安時代ころの土器も出土しています。