まほろんQ&Aコーナー(古墳時代の回答)

52 金冠塚古墳について教えてください。

  金冠塚古墳(きんかんづかこふん)は、いわき市錦町中田にある古墳で、6世紀から7世紀頃(西暦500年から600年頃)に作られたお墓です。形は直径28mの円形で、高さ3mほどの土を積んでつくられており(円墳(えんぷん)と呼んでいます。おまんじゅうのような形をしたお墓です。)、昭和25年と28年の2回調査が行われました。
 発掘調査では、横穴式石室(よこあなしきせきしつ)と呼ばれる亡(な)くなった人を葬(ほうむ)る部屋が見つかりました。部屋はの大きさは、長さ8m、幅1.5mほどで、石を積み上げて作られています。
 横穴式石室からは、人の骨10体分のほか、金銅製(こんどうせい)の冠(かんむり)やイヤリング、ガラス製のネックレス、鉄製の刀やよろい、骨で作った矢じり、馬に乗るときに付けた道具、当時の器(うつわ)などがみつかっています。
 これらのものから、葬られた人は、頭に金銅製の冠をかぶり、耳にも金銅製のイヤリング、首にはガラス製の首飾り、腰には刀を差していたものと考えられます。このようないでたちの人は、当時の錦町およびその周辺の地域を治めた有力者と考えられます。今で言うならば市長さんか、さらに上の知事さんのような人であった可能性が高いと思われます。
 この他、10体もの人の骨が確認されたことから、亡くなった人の後を追って殉死(じゅんし)した人や、親族や血族など亡くなった人と何らかの関係があった人が葬られたことも考えられます。

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