2019年 第2回館長講演会

「考古学から心を探るために
 ―先史〜古代日本の精神文化―」


 令和元年7月27日(土)、菊池徹夫館長による今年度第2回目の講演会を開催しました。今回は、考古学が基本資料としている物質文化から、当時の人々の心を読み解く方法についてのお話でした。
 はじめに、実際入試問題として作られた文章をもとに、先史・古代日本の信仰・宗教について解説しました。さらに、当時の精神文化を示すと考えられる葬送や祭祀のための遺構・遺物=物証をもとに、民族(俗)学、人類学、心理学など幅広い分野の科学の研究成果を取り入れた分析を進めることが精神文化を解明する方法となることを、多くの実例を紹介しながら示しました。


   最後に、イギリスの著名な考古学者V.G.チャイルドの「・・・物質化した各種の人間行動を出来るかぎり復元し、そこに示された思想を再現する、そうした考古学者こそ真の歴史家である。」という有名な言葉を紹介して、考古学から当時の人々の心を探る意義を説き、お話を締めくくりました。