@米作りの年間表
             春に苗を育て田植えをし、夏は草取り、秋に収穫という流れは、今も昔も変わらないと思います。ただ今と違うのは、稲の品種が統一されておらず、稲の育つスピードがバラバラだったと考えられることです。また、奈良時代ごろの記録では、わざと時期をずらして植えたり、早稲(わせ)、中手(なかて)、晩生(おくて)といった実る時期の異なる稲を植え、台風などの災害がおきても、どれかは収穫できるように工夫していたようです。
          
             
                
                左から、鍬(くわ)、えぶり、鋤(すき)の復元品 
                  
                石庖丁の復元品  | 
            
          
          A昔の米作りの道具やその使い方 
          ○ 土を耕す道具 
           鋤(すき)…土を深く掘るのに使います。今のスコップみたいなものです。
           鍬(くわ)…土を耕したり、畦(あぜ)をつくったりするのに使います。
           えぶり…土を平らにならすのに使います。
          ○ 稲刈りや脱穀(だっこく)に使う道具
           石庖丁…稲の穂(ほ)をつみとるのに使います。奈良時代くらいから鉄でできたものに変わります。
           鎌…稲を根元から、まとめて刈り取るのに使います。
           杵(きね)と臼(うす)…稲の籾殻(もみがら)をはずして、お米にするのに使ったと考えられます。
          ○その他
           田下駄(たげた)…ぬかるんだ田んぼに、足がうまらないようするための履(は)き物です。
           他にもたくさんの道具があると思いますが、遺跡から出てくるのは以上のような道具です。弥生時代に、日本で水田が作り始められたころから、これらの道具はそろっていたようです。ただし、鋤や鍬は刃先まで全部、木でできていました。これが古墳時代や奈良時代になると、刃の部分が鉄になります。また、馬の力を利用して土を耕す馬鍬(まぐわ)なども出てきます。