まほろんQ&Aコーナー(弥生時代の回答)

30 弥生時代にお酒があるそうですが、どうやってお酒を作っていたのですか?

 弥生時代の酒そのものや、酒のつくり方がわかるものは現在のところ発見されていませんが、縄文時代や弥生時代の遺跡から注ぎ口の付いた小さな土器(注口土器)が発見されています。水を入れて使う器にしては小さいものであることから、酒などの特別な液体を入れた器と考えられています。
  酒は、米や果物などデンプンや糖分(とうぶん)が含まれているものを発酵させて作ります。米を発酵(はっこう)させる酵母菌(こうぼきん)も必要になりますが、米や果物の皮などに自然の酵母菌が付いているので、これを使えばお酒を作ることができます。
 縄文時代にはヤマブドウやニワトコなどの果実を使って果実酒を作っていたと考えられています。弥生時代には米が作られはじめますので、米を原料にしたお酒が作られていたと考えられています。
 米から酒を作る時には、米の粒を砕いて小さくしながら、デンプンを糖分に変える必要があります。米のデンプンを糖分に変える身近なものとしては、だ液(つば)があり、米のデンプンは、人間の口の中でだ液と混ざることによって糖分に変化します。このような、つばを使ってお酒をつくる民族例もあります。
 きっと、弥生時代の人たちは、煮た米を口の中でかんで、米の粒を小さく砕くとともに、だ液と混ぜて壺などの中に吐き出し、野生の果実の皮などを混ぜて、壺(つぼ)の中で発酵させてお酒を作ったのではないかと考えられます。
 このころの酒作りは、現在のように酵母の種類や発酵させる温度などを管理することが難しかったと考えられますので、現在の酒のようにアルコール度数の高いものではなかったと考えられます。

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