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古銭づくり
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| <できあがった古銭と鋳型> |
去る3月13日(日)、実技講座「古銭づくり」を行いました。今回は、まほろんでも初めての鋳物講座です。写真で見るように、参加者のみなさんは、できあがった鉛製のオリジナル古銭をとても喜んでいました。
作り方を説明しますと、最初に鋳型を作りました。まほろんで用意した石膏鋳型に、参加者各自が“富本銭”ならば「富」「本」、“和同開珎”ならば「和」「同」「開」「珎」の文字を彫り込みます。古銭の鋳型は3個ありましたので、1つには自由に文字や記号を彫ってもらいました。古銭1個の大きさは直径6pほどでしたので、文字は小さく細かいものとなりました。篆刻刀やニードルを使って彫るのは大変でしたが、2時間ほどで鋳型が完成しました。
<鋳型に文字を彫る>
その後、いよいよ鋳込み作業に入りました。七輪の中で木炭を燃やし、スチール缶に原料の鉛を入れて溶かしました。鉛は約330℃で溶けますので、溶けて液状になったらトリベで鋳型に鋳込みます。鋳込みのタイミングがむずかしく、あまり鉛温度が上がりすぎるとボコボコと沸騰しますし、温度が低いと鋳込むときにすぐに冷えて固まってしまいます。講座の前に何度か鋳込み実験をくり返しましたが、なかなか思うようなタイミングがつかめませんでした。できあがった多くの古銭は、空気が入ったような穴があいたもので、鋳型に彫り込んだ文字も認められませんでした。
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| <溶けた鉛を鋳込む> |
“金属の鋳込み温度が高いときは、ジャガイモの細切りを入れると温度が下がるよ”とまほろんボランティアの星秀夫さんにアドバイスされ、実行してみますと、な〜んとこれがうまくいきました。穴あき古銭ではなく、文字が浮き出る古銭が鋳込めました。実際の講座でも、鋳込み直前にジャガイモを入れ、成功しました。
初めての鋳物関係の講座でしたが、実際に作業を行ってみると専門的な技術体験は、非常にむずかしいことを痛感した講座でした。
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