埋蔵文化財の保存と発掘調査
埋蔵文化財の基本的な考え方は、将来にわたって保存し活用することです。しかし、開発などによってどうしても現状保存できない場合にのみ、発掘調査を行います。遺跡調査部は、福島県内における埋蔵文化財の発掘調査や文化財の保存に関する次のような業務を実施しています。
■分布調査
広域にわたる開発事業が行われる際に、遺物の散布状況や地形などから、遺跡の分布状況をあらかじめ把握します。これを分布調査といいます。
■試掘・確認調査
次に、遺跡の推定範囲に試掘坑(トレンチ)を掘って、遺跡の範囲や面積、地表面からの深さ、年代や性格などを調べます。これを「試掘・確認調査」といいます。これらの結果をもとに、発掘調査計画を立案します。
試掘・確認調査
■発掘調査と報告書の刊行
発掘調査は、開発事業などによって現状保存ができなくなった範囲を対象に行われます。確認された遺構や出土した遺物から、遺跡の年代、性格を明らかにし、測量、実測図の作成、写真撮影などによって記録します。発掘調査の成果は報告書として公表され、記録によって遺跡の内容を後世に伝えます。
発掘調査のようす
発掘調査報告書
(県内の公立図書館などで閲覧できます。)
■市町村技術支援
県内の市町村から要請のあった埋蔵文化財調査へ職員を派遣して、技術協力を実施します。