まほろん秋のてんじ |
跡から鉄剣が出土しました。鉄剣をレントゲン撮影すると剣の両側に象嵌が確認されました。梵字と炎の文様が金と銀で象嵌されています。象嵌の内容から、この鉄剣は不動明王像の持つ剣である可能性があります。 |
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ふくしまの重要文化財U 期間 10月18日(土)〜11月24日(月) |
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シリーズ復元展示 | 以上のようなことから、今回の復元では、獣脚と容器は製品同士を接合したと考えるより、鋳型同士を組み合わせたものに、鉄を一緒に流し込んだものと結論づけました。この推測は、鋳型からも裏付けられました。すなわち、獣脚鋳型をよく観察すると、接合部分に当たる鋳型の厚みが他の部分より非常に薄い作りとなっています。容器鋳型に獣脚鋳型を埋め込んで接合した場合、必ず、獣脚鋳型の厚みが生じます。接合部分が薄いのは、この厚みを極力減らし、仕上がった製品に、その厚み部分が見えないようにする古代人の工夫のためと判断しました。 このように古代の技術を推測し、復元しました。できあがりを見てみると、一緒に鋳込んだにもかかわらず、獣脚と容器の接合面は、あたかも別々に作って接合したように見えます。もし、古代の遺跡から接合したような状態で鉄製品が出土したら、よくよく観察し、様々な角度から検討を加えないと、接合方法の推測はできないものだと、痛感いたしました。 <獣脚と容器の接合部分/完成した獣脚付き容器> |
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鋳型からみた鉄製品の復元 その3 前回、古代における金属同士の接合方法には、大きく3つの方法があることをお話しいたしました。今回は、これらとは異なる方法によって写真に示した獣脚付き容器が復元されたことをお話しいたします。最初に、前回示した3つの方法を簡単におさらいしてみましょう。 |
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