体験発掘ツアー
まほろんでは、毎年夏の終わりに、一般の方々に県内で行われている発掘調査に参加していただく「体験発掘ツアー」を実施してきました。発掘調査は、開発に伴って破壊される遺跡を事前に調査・記録するためや、学術的な目的のために行われるものです。まほろんに収蔵されている様々な資料も元は発掘調査によって掘り出されたもので、福島県の歴史を知る上で貴重な資料となっています。しかし、実際に作業を行うのはそれに携わる調査員と作業員ですので、一般の方々にはなかなか馴染みのない作業だと思われます。「体験発掘ツアー」はこのような作業をみなさんに身近に体験してもらうイベントで、当館の体験学習関係のイベントでも人気のメニューとなっています。
4回目の今回は、船引町教育委員会のご協力で船引町大平遺跡で行い、家族連れなど21名のみなさんが参加されました。大平遺跡は、縄文時代の集落遺跡で、比較的狭い範囲の中から中期を中心とした生活の痕跡が見つかっています。担当者の説明を受けた後、参加者のみなさんで移植ゴテと「み」を携えて、土層を観察するための土手の掘り込みを行いました。この遺跡では、縄文土器などの遺物がたくさん見つかっており、今回の掘り込み範囲内からも多数の縄文土器が掘り出されました。遺跡の性格によっては、遺物の量が少ないこともありますが、今回はたくさんの土器を見つけることが出来ましたので、参加者のみなさんも満足されたことと思います。