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 体験学習  


<土器の焼き上がりのようす>

   土器の野焼き


 8月21日(日)に土器の野焼きを行いました。今回の野焼きでは、実技講座「縄文土器づくり」で作った土器の他に、耳飾りも同時に焼くこととしました。
午前8時30分に予備焼きのため着火しました。この作業で土器焼き場の地面をしっかりと乾かし、土器を周りに並べて火に慣れさせます。最初は50点ほどだった土器も、持ち込みのものが徐々に加わって、最終的には大小とりまぜて100点近い数になりました。
 当日の天候は曇りでしたが、この季節の野焼きではむしろ曇っていてくれた方が涼しくてありがたいくらいです。参加者のみなさんの第一声は必ず、「このまま曇っていてくれたらベストですねー。」でした。
 午前11時過ぎ、いよいよ本焼きとなりました。途中から風向きが安定したおかげで、炎の温度もおだやかに上昇していたようです。粘土が熱を受けて化学変化を起こす時には、今までのすすけた色から美しい赤茶色に変わる一瞬があり、幸運なことに今回は参加者全員がこの一瞬を目にすることができました。
 午後1時前にはほぼ火も落ち、取り出しも終了しました。結果として、粘土に空気が入っていたと思われる2点の土器が欠けてしまいましたが、焼け色も上々で、全体にはほぼ成功といえる野焼きでした。本年度中にはあと2回の野焼きが控えています。次は「目指せパーフェクト」です。

   体験発掘ツアー

 今年の発掘体験ツアーは、当事業団遺跡調査部の協力で、9月3日(土)に喜多方市高堂太遺跡で行われました。今回の参加者には遠くからご参加くださった方も多く、埼玉県や東京都などからの参加者もいました。
 高堂太(たかどうた)遺跡は中世の武士の屋敷跡(館跡)と考えられる遺跡で、調査区周辺には今でも堀の跡とみられるくぼ地が続いています。到着後、担当職員から遺跡の概要について説明を受けた後、作業を行いました。今回の体験内容は主に、調査区内のどこに、どのような遺構があるのかを探る「遺構検出」という作業です。「草削り」と呼ばれる道具を使い、少しずつ平らに地面を削り込んでいきます。今回の活動では、参加者のみなさんの努力で、柱が東西5本×南北4本に並ぶと思われる掘立柱(ほったてばしら)建物跡を、1棟検出することができました。
 今回の体験発掘では遺物がほとんど出土しませんでしたが、「人の掘った穴とそうでないものをみきわめる」という、発掘調査の基本中の基本を体験したツアーとなりました。
 活動の途中では、磐越西線に蒸気機関車が通るのが見えたりと、様々なハプニングが起きました。帰りのバスの中では、今後、高堂太遺跡の調査でどんな成果が得られるのかを楽しみにしているとの声も聞かれました。


<建物跡を検出中>

 鉄づくりイベント案内
<平成15年に行われた前回の鉄づくり>
 今年も粘土製の製鉄炉に風を送って、砂鉄から鉄をつくるイベントを行います。
 <日 時> 11月5日(土)
     午前11時30分から開会式を行い、正午に火入れ、午後1時から送風を開始し、午後11時頃に送風を停止する予定です。
     11月6日(日)
     午前11時から炉を解体し、午後2時30分に閉会式を行います。     
 <募 集> 踏みふいごを踏んでくださる方を募集します。詳細はまほろんまで
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