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 体験学習  

 おおまかな形ができた後は、吹口の穴と指穴を開けます。特に吹口は重要で、その開け方や形によって、音が出るかどうかが決まります。みんな、何度も吹き、音を確かめながら、穴の形を調整していました。最後に、細い棒や貝殻などで文様をつけて完成です。
 土鈴も基本は土笛と同じ作り方です。ただし、椀形を合わせる前に、なかに粘土の粒や小石を入れます。土笛も土鈴も、これから1ヶ月間乾燥させて、野焼きで焼き上げ、完成です。
 約2時間、参加者のみなさんは楽しいひとときを過ごされたようです。

   釣り針づくり
 4月30日(日)に実技講座「釣り針づくり」を行い、15名のみなさんが参加しました。いわき地方の縄文時代の貝塚からは、たくさんの釣り針が見つかっています。釣り針は硬い鹿の角を使って作られており、今回の講座では、同じ材料を使って製作に挑戦しました。
 釣り針を最初から作ると半日以上かかるため、大体の形に整えてから、みなさんに体験してもらいました。鹿角を糸ノコで輪切りにした後、グラインダーで上下に溝をつけて、それを半分に割ります。それを薄く削って板状に加工し、糸ノコとグラインダーで釣り針の形に加工します。鹿角は削ると独特の匂いを漂わせ、この匂い対策も大変でした。
 当日、参加者のみなさんには、最初に縄文時代の生活を復元したビデオを見ていただいた後、この未製品を砥石とヤスリで削ってもらい、最終的な形に仕上げてもらいました。

 <釣り針づくりのようす>
 鹿角は、そのままではとても硬く、うまく削ることが出来ませんが、水に付けることによって、やわらかくなり少しずつ削れるようになります。
 その硬さに苦労しながらも、お昼休みをはさんで、なんとか午後2時半ごろには仕上げることが出来ました。時間にして、3〜4時間位かかったようでした。
 苦労して仕上げた釣り針は、思い通りに仕上がったようで、みなさん、満足されたようすでした。
 是非、釣りにも挑戦していただければと思います。

   古銭づくり
 去る5月4日(水)、ボランティアの方にもお手伝いしていただきながら、実技講座「土笛・土鈴づくり」を行いました。参加者は25名。多くは白河市周辺の方々でしたが、なかには東京からお出での方もいらっしゃいました。 土笛も土鈴も音を出す道具で、県内では、三島町中際(なかざい)遺跡(縄文時代後期)や二本松市毘沙門堂(びしゃもんどう)遺跡(縄文時代晩期)から土笛が、二本松市田地ヶ岡(でんちがおか)遺跡(縄文時代中期)から土鈴が出土しています。
 <講座のようす>
 土笛には、吹口の形や指穴の数などの違いによってさまざまな形のものがあります。中際遺跡の例は、指穴はなく、吹口がすこし飛び出した形で、つり下げるためなのか、頭部に穴が開いています。また、毘沙門堂遺跡の土笛は、全体が亀の甲羅(こうら)のような形をしており、片方の端に横長の吹口が、その反対側の端に丸い指穴がついています。
 土笛と土鈴がどういうものなのかについて説明した後、いよいよ土笛から製作開始です。今回作る土笛は、粘土のかたまりを椀形にしたものを二つ合わせる方法で作りました。参加者のみなさんは、思い思いの形をイメージしながら、土笛づくりに挑戦していました。
 <完成した土笛と土鈴>

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