ボランティアイベントのお知らせ |
後 援 白河提灯まつり壮者会、白河和太鼓クラブ |
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まほろん4周年だよ!ボランティア2005 |
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まほろん研究ノート |
鉄さびはベンガラが一般で、砥石には石英粒子の粗密により、荒砥・中砥・仕上げ砥に分けられます(1986 香取正彦『金工の伝統技法』「鋳金の伝統技法」理工学社)。 |
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鉄製品の仕上げその1 まほろんでは、平成14年度から「古代の鉄」をメインテーマとして、鋳型(いがた)から平安時代の鋳物(いもの)の鉄製品を復元したり、砂鉄から鉄を作る古代製鉄炉の復元操業などを行ってきました。これらの内容については、本誌8号から14号でお知らせしてきましたが、今回は昨年行った鋳鉄(ちゅうてつ)製品の仕上げ工程について報告します。 鋳型から復元した鋳鉄製品は、獣脚(じゅうきゃく)付き容器と風鐸(ふうたく)及び梵鐘(ぼんしょう)の3つです。これらは全て鉄製ですので、当然のことながら長い間には錆(さ)びてしまいます。おそらく平安時代の工人たちもこのサビには苦慮(くりょ)したものと思われ、何らかの方法で、錆びにくくする処置を施していたものと思います。ただ、当時の鋳物製品の出土例が非常に少ないことと、出土した遺物でも錆化が進んで表面の仕上げ技法がよくわからなかったため、今回の仕上げ工程の復元では、現在行われている鋳金での方法や、文献資料での記載を根拠に仕上げ工程を復元しました。 一般に鋳物の仕上げ工程は、鋳込み後に“型ばらし→仕上げ→研磨・着色”という順序で行われます。「型ばらし」は、鋳型の土を完全に落とす作業で、「仕上げ」は、鋳型の合わせ目にできた鋳張り(バリ)を取り、細部をていねいに仕上げる作業です。鋳物の業界では「鋳浚(いざら)い」とも呼んでいますが、各種のヤスリ、生下(きさ)げ(ヤスリをかけたあと平らにする一種の削り刃物)、ノミ、ハンマー、金床(かなとこ)、万力、金鋸(かなのこ)、キリなどを使用して、根気よく仕上げます。 次の「研磨」は、鋤栓(すきせん)という刃物で表面を削り、朴炭(ほうのきずみ)で磨き、その後、鉄さび、砥石、砥の粉などで磨きます。 |
まほろん通信17号 1 2 3 4ページ