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きるようになりました。今回の展示では、古墳〜平安時代の食器の移り変わりから、当時の生活がどの様に変化していったのかを紹介します。

古代白河の死後の世界
いつの時代も人間が避けて通れない「死」を、古代の人々はどのように考えていたのでしょうか。遺跡からわ かる「死」の風景について紹介します。

白河の匠の技
石・木・金属などを材料に、旧石器〜平安時代の白河地方の人はどんな道具を作ってきたのでしょうか。白河の 匠の作品を紹介します。

白河美人の顔
縄文時代の土偶は女性を表しています。土偶に表現された顔から縄文時代の女性の顔を想像してみましょう。

第3回特別展

第3回企画展 収蔵資料展

テーマ 「新編陸奥国風土記巻の一白河郡」
会 期 平成14年2月2日(土)〜3月31日(日)
場 所 当館特別展示室

今回の展示では、福島県教育委員会が中心となって発掘調査を行った県内各地の遺跡の中から、古代白河郡 (現在の白河市・西白河郡・東白川郡・石川郡の一部)の 地域にある遺跡について取り上げます。この地域で発見された旧石器〜平安時代までの土器や石器、その他の出土 品を展示し、白河地方の原始・古代の世界にみなさんをお誘いします。

古代白河郡の役所を発見
奈良・平安時代にも役所がありました。このころの役所はどんな所だったのでしょうか。発掘調査で見えてき た白河郡の役所の様子について紹介します。


<「厨」の墨書土器と横穴墓から見つかった玉類>

古代白河の文字
奈良・平安時代の土器の中には、墨などで字が書かれているものがあ ります。古代の人たちは、どんな意味をこめて、どんな字を書いていた のでしょうか。

食器から探る古代白河の暮らし
縄文時代に土器が発明され、モノを煮て食べることがで

 


<鋳型をチェックしているようす>

シリーズ復元展示

        実験スタート
 三角縁神獣鏡の復元がスタートしました。会津大塚 山古墳の三角縁神獣鏡が同笵技法によって作られている可能性が観察によってわかりました。が、はたして本当 にこの方法で鏡を復元することができるのか、実験の目的の一つはこの点を確かめることにありました。鋳造技 術に詳しい考古学者の中には、同笵鏡を作ることは技術的に無理だと考える意見もあるということは前にも述べ た通りです。ただし実際に同笵鏡を作ることが可能かどうかを実験によって確かめられたことはこれまで一度も ありません。実験で一つの鋳型から何枚もの鏡を作るこ とに成功すれば、三角縁神獣鏡が同笵法によって作られているかどうかは別として、同笵法は不可能ではないと いうことをはじめて実証することになります。

        実験のゆくえ
 三角縁神獣鏡を、その形だけでなく、製作技術も含 めて復元するためには、さらに解き明かさなければならない問題が山積していました。三角縁神獣鏡は直径が 22センチをこえる大型品で、ただでさえ高度な鋳造技術が必要です。加えて、文様がきれいに鋳出されるかど うか、鋳型が複数回の鋳こみに耐えるかどうか、流し込む湯の温度など、さまざまな工夫やノウハウが必要で す。が、鏡の鋳造経験のないわれわれには、一つ一つ実験を行って確かめなければならないことばかりでした。

 

これを確かめるために準備した鋳型は70枚近くにも達 しました。一つとして同じ鋳型はありません。すべて条件の異なるものです。
  これらの鋳型の製作には、鈴木さんのこれまでの研究 でつちかってきた多くのアイデアが盛り込まれました。小田部さんはこれに応え多種多様な鋳型を製作するだけで

なく、逆にここはこうしたほうがうまく行くのではない かとアイディアを出して応えます。まさに考古学と職人技 の結晶により、三角縁神獣鏡が復元されようとしていまし た。(つづく)

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